咬合性外傷 (咬み合わせ) の治療
咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)とは、受け止められないほどの強すぎる噛み合わせの力を受け、歯や歯を支える歯茎(歯肉)、骨(歯槽骨)などの歯周組織や顎関節などに外傷(ダメージ)を起こしてしまうことや、重度の歯周病で歯を支える歯茎や骨などの歯周組織が弱った状態で噛み合わせることで起こる外傷などのことを言います。
咬合性外傷の種類
一次性咬合性外傷
![一次性咬合性外傷](/img/bite/img_01.jpg)
原因
- 咬み合わせ(早期接触)
- 食いしばり(ブラキシズム)
- 歯ぎしりや(側方圧)
二次性咬合性外傷
![二次性咬合性外傷](/img/bite/img_02.jpg)
原因
- 進行した歯周病(重度歯周病)
咬合性外傷を疑うべき症状
- 噛むと歯が痛い
- 朝起きると顎が痛い
- 冷たいものがしみる(知覚過敏)
- 詰め物や被せ物がよく外れる
- 歯が欠ける
- 頭痛や肩こりがある
- 頭が痛い
- 顔が腫れる
- 歯周病が進行してきた
- 歯が揺れる
- 歯が折れる
- 神経が死んでしまった(失活)
生活からの見直し
咬合性外傷では歯の症状、歯茎の症状、顎関節の症状など様々な症状が出ます。
それらの症状が出た際に、その症状だけを一時的に改善することは可能かもしれませんが、咬合性外傷が原因になっている場合、原因そのものを解決しなければ、また症状を繰り返し悪化してしまう恐れがあります。
そのため、日常の生活習慣や舌の位置、姿勢なども見直した上で、噛み合わせの調整・マウスピースの装着・ボトックス治療・歯周病の治療が必要となっていきます。
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生活習慣
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舌の位置
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姿勢
一次性咬合性外傷の治療
噛み合わせの調整(早期接触の調整)
一時的に噛み合わせがずれてしまった場合や噛み合わせだけが原因の場合は、噛み合わせの調整(早期接触の調整)だけで治る方も多くいます。
![噛み合わせの調整(早期接触の調整)](/img/bite/img_03.jpg)
マウスピースの装着
症状を訴える方の大半は噛む力の強い方が多いです。
そのような方は、日中だけでなく、就寝時の食いしばりも強い傾向にありますので、噛むと痛い、顎周りの痛みが続くなどの場合は、歯を守るためにマウスピースを作り就寝時に使ってもらうことがメジャーな治療の一つとなります。
![マウスピースの装着](/img/bite/img_04.jpg)
ボトックス治療
マウスピースが苦手、毎日マウスピースを入れられないという方にはボトックス治療(ボツリヌス治療)をお勧めしています。
咬筋(咀嚼筋の一つ)にボトックスを打つことで噛む力そのものを弱める治療です。
定期的にボトックスを打つことで、廃用性萎縮により咬筋自体が小さくなり筋肉の機能を弱め正常に近付けることを目的としています。イメージとしては、筋トレをやめさせ、筋肉を萎ませるという感じです。
![ボトックス治療](/img/bite/img_05.jpg)
二次性咬合性外傷の治療
噛み合わせの調整と歯周病の治療
二次性咬合性外傷の治療は噛み合わせの調整(早期接触の調整)と歯周病の治療がメインとなっていきます。
歯を支える骨(歯槽骨)が歯周病で溶けてしまっている為、歯周病の治療を行なっても治らない場合もあります。そうならないためにできるだけ早い段階で歯周病の治療を行い、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けるのを食い止める必要があります。
![噛み合わせの調整(早期接触の調整)](/img/bite/img_06.jpg)