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2025年06月03日【歯科のお話

その口内炎放っておいて大丈夫?実は「別の病気」かもしれません

「また口内炎か…そのうち治るだろう」と放置していませんか?

実は、その“口内炎”が思わぬ病気のサインであることもあります。カンジダ性口内炎、根尖病巣、褥瘡性潰瘍、さらには口腔がんなど——見た目が似ていても、原因も治療法もまったく異なります。

特に、2週間以上治らない場合や繰り返し再発する場合は要注意。
自己判断せず、早めに歯科医院で診察を受けることが大切です。

本記事では、口内炎と間違えやすい病気とその見分け方をご紹介します。

「ただの口内炎」…本当にそうですか?

多くの人が経験する口内炎は、通常1週間から10日程度で自然に治癒します。
しかし、以下のような場合は“ただの口内炎”ではない可能性があります。

  • 2週間以上治らない
  • 強い痛みがある
  • 再発を繰り返す
  • しこりや硬い部分がある
  • 出血しやすい

このような症状がある場合、単なる炎症ではなく他の疾患の可能性があるため注意が必要です。
放置しておくと命に関わる場合もありますので、歯科を受診しましょう。
もし口内炎の場合であっても、痛みを緩和したり治りを早めたりすることが可能です。


カンジダ性口内炎って何?:白い斑点は要注意!

カンジダ性口内炎は、カンジダ菌という常在菌が異常繁殖することで起こる真菌感染症です。

原因:免疫力の低下、抗生物質やステロイドの長期使用、入れ歯の不適合や口腔内の清掃不良

症状:白い苔状の斑点(こすると剥がれる)、ヒリヒリ感や違和感、味覚の低下、口臭

治療法:抗菌薬の使用、口腔内清掃、歯磨き指導、入れ歯の調整など

放置すると気道や食道に広がる恐れがあるため、早期治療が大切です。

根尖病巣や褥瘡性潰瘍の可能性も !

口内炎と誤認されがちな、以下のような疾患にも注意が必要です。

根尖病巣(歯の根に膿がたまる病変)

原因:虫歯が進行し、歯の神経が死んで感染が起こる

症状:歯茎の腫れ、痛み、膿の排出

治療法:根管治療

褥瘡性潰瘍(慢性的な刺激による粘膜の潰瘍)

原因:入れ歯や歯の尖った部分が粘膜を刺激し続ける

症状:痛みがあり、治りにくい

治療法:入れ歯の調整や歯の調整、口腔粘膜の保護

これらの疾患は見た目が口内炎と似ているため、気になる症状があれば早めに歯科医院で診断を受けることが大切です。


口腔がんとの見分け方


口腔がんは早期であれば高い確率で治療が可能ですが、初期症状が口内炎と非常に似ているため、見逃されがちです。

見分けのチェックポイント

症状要注意の特徴
治りにくい2週間以上変化がない
粘膜の変化白板症(白い斑点)・紅板症(赤い斑点)
硬さやしこり触ると硬く、しこりを感じる
痛みの有無初期には痛みがないことも

上記のような変化を感じたら、早めに歯科医院や口腔外科を受診されることをおすすめします。

まとめ:早めの受診が大切です

「そのうち治るだろう」と放置した口内炎が、実は重大な疾患だった——そんなケースは珍しくありません。

口内炎が2週間以上治らない場合や、痛みが強い・繰り返すといった症状がある場合は、できるだけ早く、歯科医院や専門機関での診察を受けましょう。

早期発見・早期治療こそが、あなたの口腔の健康を守る最大のカギです。