ブログ

  1. TOP
  2. ブログ
  3. 歯科のお話
  4. デンタルフロスしないといけないの?
2025年03月17日【歯科のお話

デンタルフロスしないといけないの?

今回はデンタルフロスについてお話します。皆さんはデンタルフロス使っていますか?
「しているよ!」と言う方、素晴らしいです。その習慣をぜひ続けてくださいね。
「していないよ」という方は、要注意。歯ブラシだけでは落としきれない汚れが、虫歯や歯周病の原因になっているかもしれません。
歯ブラシだけではなくデンタルフロスを併用すると、歯垢除去率が1.5倍もアップすると言われていますので、積極的にデンタルフロスを使うことをおすすめします。

「分かってはいるけど、なんだか怖いし面倒くさいな…」
「いやいや、毎日しっかり歯を磨いているから大丈夫!」
そんなお声が聞こえてきそうですが、本日はデンタルフロスについて理解を深めていただき、ぜひデンタルフロスを習慣化していただけると嬉しいです。

出典:山本他日本歯周病誌1975

デンタルフロスの役割

まずはデンタルフロスの役割です。
毎日しっかりと歯磨きをしていても、残念ながら虫歯や歯周病になってしまうことがあります。
歯と歯の間に残った汚れが落ち切れていないことが原因の一つです。
歯ブラシだけでは、歯間の汚れを完全に取り除くことが出来ないため、デンタルフロスの使用をおすすめしています。

  • 虫歯予防:プラークは糖分をエサにして酸を出し、歯を溶かしてしまいます。歯と歯の間は特に虫歯になりやすい部分なので、フロスを使ってしっかりとプラークを除去することで、虫歯の発生リスクを減らせます。
  • 歯周病予防:歯ぐきの近くにプラークが溜まると、細菌が繁殖して炎症を引き起こし、歯ぐきが腫れたり出血しやすくなります。さらに放置すると歯を支える骨が溶けてしまう可能性があります。デンタルフロスを使うことで、歯周病の進行を遅らせることが出来ます。
  • 口臭予防:歯と歯の間に詰まった食べかすやプラークは、時間が経つと腐敗し不快な口臭の原因になります。特に、歯の隙間が狭い人ほど汚れが残りやすいため、フロスを使うことで口臭を抑えることが期待できます。

デンタルフロスの種類

デンタルフロスには、大きく分けて「ロールタイプ」と「ホルダータイプ」の2種類があります。
それぞれの特徴をお伝えします。

<ロールタイプ>

ロールタイプは、歯と歯の間にしっかりフィットし、細かい調整が可能です。

メリット

・衛生的
・経済的
・歯周ポケットの清掃が可能

デメリット

・両手を使う必要がある
・最初は扱うのが難しい

<ホルダータイプ>

ホルダータイプのデンタルフロスは、持ち手が付いており、初めて使う方には有用です。

メリット

・片手で使える
・簡単に使える

デメリット

・不衛生
・清掃効率を上げるのは難しい

どちらのタイプもそれぞれ特徴があり、使う人の状況によって向き不向きがあります。
例えば、子供仕上げ磨きや小学生の患者さんはロールタイプは難しいので、ホルダータイプをおすすめします。
ホルダータイプでまずはフロスに慣れていただき、清掃性がよくコストパフォーマンスの良いロールタイプにステップアップしていくことをおすすめします。

デンタルフロスの正しいやり方と注意点

デンタルフロス(ロールタイプ)を効果的に使うためには、正しい方法で行うことが大切です。

<正しいやり方>

肩幅程度の長さで使用する
 約40cmが目安です。
 ↓
指に巻きつけ、ゆっくりと歯間に入れる
 左右の中指に2〜3回巻きつけ、指の間のフロスを1~2cm程度に調整します。
 ↓
歯の面にしっかり当てる
 ゆっくりと歯と歯の間にいれるようにしましょう。鏡を見ながら行うとやりやすいです。
 ↓
歯面の形に合わせて、上下に擦り付けるように動かす
 歯の面を清掃するので上下に優しく動かすようにしましょう。隣り合った両方の歯を行います。
 ↓
横に動かしながら取り出す
 取り出すときもゆっくりと優しく取り出します。

<注意点>

①再利用しない

一度使用したフロスには、プラークや細菌が付着しています。
再利用すると、これらの細菌を別の歯に広げてしまう可能性があるため、毎回新しい部分を使いましょう。
(フォルダータイプは使うたびに洗って使用してください。)

②引っかかる場合は歯科医院へ行く

フロスが引っかかる、切れる、通らない場合は、詰め物の不具合や虫歯の可能性があります。無理にフロスを通すのではなく、一度歯科医院で診てもらいましょう。

まとめ

デンタルフロスは、歯と歯の間の汚れを取り除く重要なアイテムです。
歯科医師目線では、コントロール性や、歯ぐきへの優しさ、効果的な歯垢除去の高さから、ロールタイプのフロスを推奨しています。
歯の健康を守るためには、1日1回のフロッシングを習慣に取り入れることが大切です。
ぜひ、デンタルフロスを活用して、口腔ケアの質を向上させて下さい。