ブログ

2023年08月21日【歯科のお話

知覚過敏

冷たい飲み物やアイスクリームなどを食べる機会が増えるこの時期
突然、歯がズキン!としたことはありませんか?

本日はそんな『歯がしみる』原因や理由についてお話ししたいと思います。

「歯がしみる!虫歯か!?」と最初は思う方が多いかと思いますが虫歯以外にも色々な原因や理由があります。

歯がしみる原因
  • むし歯
  • 知覚過敏

むし歯

初期の虫歯で症状が出ることは稀ですが、虫歯が進行すると「歯がしみる」「噛むと痛い」などの症状が起こります。

C1では無症状の場合が多く、C2から症状を感じる方が多いです。

(症状が出てきた時には虫歯がそれなりの大きさになってきている可能性が高いです。)

C3になると、「歯がしみる」だけでなく「痛み」と変わり耐え難い激痛へと移行します。

進行したC3やC4は、神経が死んだ状態になりますので痛みがなくなります。しかし、そのまま放っておくと虫歯が進行し化膿することで歯を支える骨を溶かし再度激痛や顔面の腫れなどに移行していきます。

(稀に、フェニックス膿瘍となり痛みを伴う場合もあります。)

虫歯の場合もありますので、「知覚過敏かな?」と放置せず違和感や症状がある場合は、出来るだけ早く受診してください。

知覚過敏

何らかの理由でエナメル質が薄くなってしまったり、亀裂が入り象牙質に刺激が伝わる事で「歯がしみる」という症状がみられます。(象牙質は、歯の表面を覆っているエナメル質とは違い、象牙細管という冷温刺激などを感知する神経が入り込んでいるため)

<知覚過敏の原因>
  1. 強すぎるブラッシング
  2. 歯周病による歯肉退縮
  3. 歯ぎしり・食いしばり
  4. 歯が欠ける
  5. 噛み合わせの悪さ
  6. 酸蝕症

「虫歯じゃなくて良かった〜知覚過敏か!!」と終わってしまう方が多いですが、これ以上知覚過敏症状が繰り返さないよう、進まないようにするためにも原因を知る必要があります。また、原因によって処置の方法も変わってきます。

<一般的な処置>
  • 知覚過敏用の歯磨き粉の使用
  • 歯磨き指導
  • しみる部位へのコーティング
  • しみる部位へのレーザー治療
  • しみる部位への歯冠修復
  • 抜随(神経を抜く)
  • マウスピース制作

①強すぎるブラッシング

間違ったブラッシングを力強く行うことは危険です。

闇雲に歯ブラシで力任せにゴシゴシとブラッシングすることで歯の表層のエナメル質が摩耗し象牙質が露出することで知覚が過敏になります。

間違ったブラッシングを続けることで、歯はどんどん削れていきます。

そうならないためにブラッシング指導を行い、正しいブラッシングのトレーニングをお勧めしています。

実際問題、凄い力で磨いている方が多いです。

一度ご自分の、歯磨きの仕方を見直してみましょう。

②歯周病による歯肉退縮

歯周病は歯の疾患ではなく、歯を支える組織の疾患です。

歯周病が進むことで、歯を支える歯槽骨が溶けていきます。

それに伴い歯茎が下がることで象牙質やセメント質が露出してしまいます。

歯の根っこ部分はそもそもエナメル質がないので刺激しすぎるだけでも知覚が過敏になります。

その場合は、一過性の症状で持続せず時々しみる症状が見られます。

歯周病も悪化することで痛みを取ることが困難になりますので、小さな症状を見逃さないでください。

この場合は、歯周病の症状を軽減したり、進行を遅らせるために歯周病の治療が必要となります。

(歯周病は、治療しないと進行が加速してしまいます。)

③歯ぎしり・食いしばり

「なぜ歯ぎしりで、知覚過敏?」と思う方も多いかと思います。

人で言うところの「過度な労働による神経過敏」のようなものです。

これは、無意識で行なっている場合が大半です。

本人の意識改善だけで止めることは大変難しいですが、まずは自分が普段食いしばっていないかを意識することがまず重要となります。

気づいた時に力を抜いたり、唇を閉じた状態で上下の歯が当たらないように意識するなど自分の食いしばりに気づいてもらうことが治療の第一歩となります。

<歯ぎしり・食いしばりに対する治療>
  • 意識改善
  • 噛み合わせ(早期接触)の調整
  • 歯を守るためのマウスピース
  • 噛む力を弱めるためのボトックス治療

歯ぎしり・食いしばりは、歯が剃り減ったり欠けるだけでなく、歯がしみたり、日中に加え起床時の顎周りの痛み、詰め物の脱離、歯の根が折れたり、神経が死んでしまうこともあります。そうならないよう、放置せず歯を守りましょう。

④歯が欠ける

これは、歯が欠けたことにより象牙質が露出することで「しみる」という症状が出ています。

欠けた部分の修繕が必要となります。

小さな欠けの場合は無症状の場合がありますが、欠けた部分からどんどん欠けが大きくなってしまう事もありますので、舌触りがおかしいなどの感覚がある場合も一度歯科医院で確認してもらうことをお勧めします。

(かけた理由によっては噛み合わせの悪さや癖がある場合は噛み合わせの調整も必要となる場合もあります。)

⑤噛み合わせの悪さ

噛み合わせの悪さによる噛む合わせの崩れから、歯と歯の早期接触が起こることが考えられます。

急に起きる痛みですのですぐに歯医者に行く方が多いですが、我慢していると痛い歯をかばうことで顎の関節がずれ顎関節症になったり、歯の根が折れたり、神経が死んでしまう恐れがあります。

その際の処置としては、早急に噛み合わせの調整し、バランスを整える必要があります。躊躇せず歯科医院を受診してください。

⑥酸蝕症

酸性の環境に長時間さらされることによって歯の表面のエナメル質が溶けて引き起こされるものです。

通常であれば、溶かされたエナメル質は唾液の働きによって中性に戻ることで、修復され元の状態に戻ります。

それが、酸性の状態が続くことで、中性に戻れずに「酸蝕症」になってしまいます。

原因としては、酸性食品や飲料を過度に摂取した場合や、逆流性食道炎、接触嘔吐、アルコール依存症、酸を使う業務に従事する職業性の酸蝕症などがあげられます。

酸蝕症で起こる症状としては、「歯がしみる」だけでなく

  • 歯の色が黄色っぽくなる
  • 歯の表面がザラつき艶がなくなる
  • 歯に穴が開く

などが見られる事もしばしばあります。

<酸蝕症に対する治療>
  • 口の中に酸を残したままにしない。
  • 生活の見直し
  • 酸性食品を口にする頻度を減らす
  • ダラダラ飲み食いせず、口の中に酸を残したままにしない
  • 就寝前の酸性の飲食を避ける
  • 生活環境・食亜環境の見直し
  • 口腔内の清掃