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2024年08月30日【歯科のお話

フッ素は毒!?都市伝説の真相

「フッ素は毒!?」塗らない方がいい?危険なの?
そんな都市伝説を聞いたことはありませんか?
フツ素についての関心が高まる中で、その安全性や効果に関する様々な議論が交わされています。
本記事では、フッ素の基礎知識からその役割や安全性について解説していきます。
正しい知識を身につけましょう。

フッ素とは

そもそも、フッ素ってどういうものかご存知でしょうか?
フッ素(F)とは、自然界に広く存在する物質です。
自然界では、海藻、お茶、肉類、卵類、味噌、乾燥椎茸、野菜、果物など様々な物に含まれています。

このように日常的に摂取つる食べ物にも含ませている物資がなぜ「フッ素=危険」となるのでしょうか?

フッ素は、化学元素の一つで、元素のフッ素単体は猛毒です。
しかし、フッ素は反応性が高く、ほとんどの単体元素を酸化してすぐに化合物(フッ化物)を作ります。
そのため、毒であるフッ素単体の状態ではほとんど存在できません。
つまり、フッ素単体は危険なものだとしても、すぐ反応して化合物となるため問題ありません。。
また、実際に虫歯予防に使われている化合物(フッ化物)は、フッ化ナトリウムです。

歯科医療におけるフッ素の用途

※フッ素は、工業製品の製造や冷媒、非粘着コーティングなどのさまざまな産業用途にも利用されています。

<むし歯予防>

フッ素は歯のエナメル質を強化し、酸に溶けにくい歯質を作ります。特に子供の歯の成長段階でのむし歯予防に効果があります。

フッ素処置
  1. フッ素を含んだゲルや液体を塗布
  2. 歯磨き粉の使用
  3. マウスウォッシュの使用

<効果>

フッ素塗布には大きなメリットが3つあります。

メリット
  • 1つ目は歯質の強化。
    フッ素が歯のエナメル質を強化し、酸に対する抵抗力を高めます。
  • 2つ目は再石灰化の促進。
    食後などに溶け出すミネラル成分を再び歯に戻し、むし歯のリスクを軽減します。
  • 3つ目は虫歯菌の抑制。
    むし歯菌を減弱化させ、産生する酸の量を減らします。

このため、フッ素塗布は大人から子供まで幅広く虫歯予防に効果的です。

フッ素の摂取の注意点

<濃度>

歯科医療におけるフッ素処置や水道水中の適切なフッ素添加量は、むし歯予防のために安全な範囲内で行われます。過剰なフッ素摂取はフッシング(歯の白斑)などの副作用を引き起こす可能性があるため、適切な量を守ることが重要です。

<過剰摂取のリスク>

フッ素の過剰摂取もまた、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
高濃度のフッ素を長期間摂取すると、歯のフッ素症(エナメル質の変色や斑点)や骨のフッ素症(骨の脆弱化)を引き起こすことがあります。特に、フッ素を含む製品を多量に使用したり、誤って高濃度のフッ素化合物を摂取することが原因です。

フッ素入りの製品を使用する際は、パッケージに記載された使用方法を守り、過剰摂取を避けるようにしましょう。

まとめ

元素のフッ素単体が猛毒であることから、「フッ素=毒」と認識され広まったようですが、歯科医院で塗布するフッ素や、歯みがき粉や洗口液に含まれるフッ素はすべて"フッ化物"ですので、単体のフッ素のような猛毒ではありません。
フッ素が「毒」とされる都市伝説には根拠がなく、実際には適切な濃度で使用される限り、フッ素は安全で効果的です。
闇雲に恐れることは、機会損失となります。正しい知識を持ち、有効利用しましょう。